こだわりの企業を見る

ホーム > こだわりの企業をみる

機械装置、医薬品添加剤、食品添加剤、食品品質保持剤

前のページへ

食の安心安全第一の時代に先駆けて…

コンビニやデパ地下で売られているバウムクーヘンなどの焼き菓子や和菓子、パンや生麺類などに必ずといっていいほど添付されている四角い紙片。

これは、食品の菌、とくに カビの繁殖を防ぐ効果があると同時に 食品の水分を維持 し、しっとりとした食感を保ってくれる。

本来1週間も保存できない食品であっても、 「アンチモールド・マイルド」 を添付するだけで1〜2カ月も品質保持が可能 になるという。

そもそも、同社が食品品質保持剤に着眼したのはなぜであったのか?

「30年前、例えば地方の和菓子屋さんの商品を都内で購入して、食べるということは不可能なお話でした。でも、そうしたニーズの高まりや、スーパーマーケットなどの流通網が改善されたこと、さらに食品の安全安心に関心を寄せる人が増えたことから、食品品質保持剤が待望されるようになったのです」(フロイント産業 河村氏)

開発のヒントはおばあちゃんの知恵袋!?

「昔、生活の知恵で、食パンやおもちは、綿にアルコールをしみこませたものと一緒に置いておいておくと日持ちがするといわれていました。このアイデアをもとに、私たちは、綿のかわりにパルプ、さらには、医薬品添加物としても利用されている『シリカゲル』(乾燥剤)にアルコールをしみこませるなどの試行錯誤を重ねてきました」

そして、この食品品質保持剤「アンチモールド」は、1978年、フロイト産業の粉体技術から誕生した。まさに、しっとりバウムクーヘン、ふんわりパン、モチモチの生麺など、全国の美味しいものが手軽に食べられる時代の到来に、一役買ったのである。

現在までに改良を重ね、最新の食品品質保持剤 「アンチモールド・テンダー」は、 ジェル状のアルコールを使用し、またアルコールの香りをできる限り抑え、低臭化に成功

成分は、間違って口にいれても問題はなく安全なもの、効果の残存状態が目視で分かるものとなっている。

食品品質保持剤の研究に必要な測定器も自社で開発

また食品の日持ちを考える際に、菌の利用できる水分(自由水)を確認することは、とても重要なこと。
しかしながら、当時市販されていた分析装置はとても使いにくいものであったため、「それならいっそ」と自社で開発したのが「水分活性測定器」

こちらは、食品の保存性について重要な要素となる「水分活性値」を、 高精度で測定が可能であるほか、 作業をする上での操作性、メンテナンス性も追求。
ユーザーである 研究者の声を生かし、 “本当に使える”1台を開発した。
まさにここが同社の強味なのである。

今後の目標は、「もったいない」をなくすお手伝い

「現在コンビニエンスストアでは、食品は消費期限時間が過ぎればレジも通せないようになっています。しかし、食品品質保持剤を改良して、せめて数日でも日持ちできるようになれば、相当な廃棄ロスを抑えられるのでは、と考えます。我々の力で、そのお手伝いをしたいですね」

創業以来黒字を維持! その秘訣に迫る

以上みてきたように、フロイント産業は、 機械装置、医療品添加剤、食品品質保持剤という ハードとソフトを組み合わせた技術開発力を武器に、 国内外で高い評価を得てきた。

しかも同社は、1964年の創業以来、1度たりとも赤字に陥ったことがないという。 バブル経済の崩壊、リーマンショックと、 世界経済の混乱をよそに、堅実に歩んでこられたその秘訣はどこにあるのだろうか?

「研究事業がメインですから、当然失敗もあります。しかし、実業以外で投資などの不確実なものに頼らない、すなわち、価値が減損するものを持たないという思想が根底にあるからだと思われます。バブル経済全盛期には各方面からさまざまな誘惑もありましたが、そこだけは全くブレませんでした」

また同社は創業当初より、自社工場を持たない開発型企業だ。まさに現在注目されているファブレス(工場を持たないことで設備投資などのリスクを軽減し、安定した事業を行う)というビジネスモデルを、50年近く前より実現していたことになる。

しかし、どんなに優れた経営者にも運、不運というものがある。 やはり、創業者である伏島氏が、薬という分野への進出を考えた時点で、 今の勝利は決まっていたのかもしれない。

目覚ましい海外進出と製薬事業への挑戦

フロイント産業は、2010年には、アイルランドに子会社「FREUND PHARMATEC LTD.」を設立。こちらをヨーロッパの拠点とする上、同社が誇る技術を駆使して、新たなる製剤技術を手掛ける計画がある。

また、北米、中南米マーケットは、米国アイオワ州の子会社「FREUND-VECTOR CORPORATION」を拠点とし、フロイント産業本体は、中国、インド、東南アジアの巨大マーケットに、積極的に進出して行く予定である。

フロイント産業の「フロイント」とは、ドイツ語で“友達”という意味。 友達同士、知識や技術を集結して創立された というところが会社名の由来である。

熱き友情の結晶は、堅実に、着実に前進し、全世界の人々の快適な暮らしを支えている…。

記事:阿部 桃子
写真:フロイント産業株式会社
http://www.freund.co.jp/

関連ページ

機械装置、医薬品添加剤、食品添加剤、食品品質保持剤
フロイント産業株式会社
世界で最も均一で美しいコーティングを可能にした技術

会社概要

会社名 フロイント産業株式会社
所在地 〒169-0072
東京都新宿区
大久保一丁目3番21号
連絡先 管理本部
管理部
TEL  :03-5292-0256
FAX  :03-5292-0290
E-mail:メールはこちら

↑ ページトップ