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紙おむつ処理機「SFDシリーズ」

〜使用済み紙おむつが燃料ペレットに〜 株式会社スーパー・フェイズ

日本は今後、超高齢化社会に向かう。
これに伴い今まではなかったような諸問題が出てくる。
その1つに高齢者の介護用紙おむつ処理問題がある。

紙おむつといえば、乳幼児をイメージするかもしれないが、それは過去の話だ。
現にドラッグストアで紙おむつ売り場の前に立ってみるといい。以前では考えられないほど数多くの、介護用紙おむつが売られているから。

だが紙おむつというのは、使用後はただのゴミとなる。
しかも糞尿を大量に含んでいるため、重さも容積も使用前の3倍のボリュームになり、今社会問題となっているのだ。

この問題に立ち向かい、使用済み紙おむつを燃料に変えるという画期的な機械を開発した企業があると聞き、さっそく訪ねた。

使用済み紙おむつを燃料ペレットに再生

(株)スーパー・フェイズが開発した機械を使えば、使用済み紙おむつは紙とプラスチックだけのカスになる。
だがこのカス、成形器に入れ直径6ミリメートル(15ミリメートルタイプもある)の円柱形のペレットにすると、1キロあたり5000キロカロリーもの熱量を生む高カロリー燃料になるというのだ。使用先は多岐に渡る。

家庭で使う暖房器具(薪ストーブのような器具)。公的には温水プールや入浴施設、また冬場に道路を温めるのにも役立つという。
さらにハウス栽培農家からも需要があるそうだ。石油やガスといった化石燃料の代替燃料として、今注目されているという。同じような燃料として、木質ペレットという木屑をペレット化した燃料があるそうだが、コスト面、熱量共に、同社製ペレットの方が上だという。

さらに今まではゴミとして焼却していたわけだから、CO2削減にも貢献しているのはいうまでもない。

紙おむつを機械に入れてから生成物ができるまではわずか1日
さらに紙おむつをポリ袋に入れたまま機械に入れ処理できるというから、衛生的で手間もかからない。

機械の構造はいたってシンプルだ。
破砕と乾燥を機械の中で繰り返しているだけ。おむつといえば「臭い」が気になるが、同機械では触媒と微生物処理技術で、この問題を解決。

同社代表木村幸弘氏と、取締役営業本部長村田恭一氏に話を伺った。

世界唯一のシステムを開発

同社はもともと別の事業を手がけていた。だが村田氏は以前から別の会社で、現在の紙おむつリサイクル業に関連する業務に取り組んでいたという。
事業家である木村氏と出会ったことで、2人はタッグを組み、同事業はスタートした。

「もともとの発想は、生ごみ処理機で紙おむつを分解・リサイクルできないかということでした。
 でも、なかなか難しくて......。多くの開発メーカーが挑んでは、挫折していきましたよ」(村田氏)

だが同社は違う方法で機械の開発に挑んだ。
まずは対象となる物質を紙おむつにしぼった。そして分解ではなく、燃料ペレットへとリサイクルさせることに力を注いだのだ。
結果、大手メーカーがチャレンジしても成しえなかった、紙おむつのリサイクル装置を完成させたのである。

この機械は「SFDシステム」と名付けられ、世界を見渡しても唯一独自のシステムとして特許を取得した。
また東京都から「東京トライアル認定」なる支援事業にも選ばれ、さらに(財)東京都中小企業振興公社からも推奨事業認定を受けている。

パイオニアとして次世代の産業を構築する

実は同社の機械は思ったように売れていないという。
「どうして?」と筆者は思ったが、
これまでゴミ処理機やバイオトイレといった、
似たタイプの商品を開発する企業を取材し、
そのなかから感じ取ったことを思い出した。――日本の悪い社会構造だ。

大手メーカーが開発に失敗したこと。
 これまでにない機械であるために実績がないこと。
 この2つがネックとなって、
 なかなか世間から認めてもらえないんです。
 ゴミ処理業は地方自治体の管轄。
 まずはお役所に認めてもらわないと......」(木村氏)

同社が考えているビジネスモデルは現在3つあるという。
1つ目は大量に紙おむつを排出する病院や介護施設への販売。
2つ目が産廃業者と一緒に組み、燃やすのではなくリサイクルし、そこに利益を生み出すビジネスモデル。
3つ目が上述した自治体への販売だ。

「実はね、機械から出たカスをその場で成形してペレットにすることも可能なんです。
 ですが私たちはあえてその作業を別の業者にお願いし、そこに人を介在させ雇用の場を生んでいるのです。
 ただ紙おむつをリサイクルさせるだけでなく、次世代の新しい産業モデルとして定着させたいんですよ」(木村氏)

筆者は米国が打ち出した「グリーン・ニューディール政策」を思い出した。
景気回復と温暖化対策を同時に実現する画期的な同政策は、10年間で1500億ドル(約15兆円)。
雇用人数にいたっては500万人ともいわれている壮大な規模だ。

――同社の事業も、スキームはグリーン・ニューディールと同じ。

まずは全国の自治体で。そこから世界へ


会社概要

会社名 株式会社 スーパー・フェイズ
住所 〒105-0014
東京都港区芝2−29−9榊原ビル4F
電話 03-5439-9130
FAX 03-5439-9132

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