会社概要
会社名 | イーエムシー株式会社 (Eco Management Corporation) |
所在地 | 〒102-0071 東京都千代田区富士見1-6-1 フジビュータワー飯田橋10F |
電話番号 | TEL :0120-935-988 |
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緑化サービスとはビルやマンションをはじめとする建物の屋上、
あるいは壁面に芝草やセダムといった植物を植え、
昨今アスファルトに囲まれ緑が少ない市街地で問題となっているヒートアイランド現象を防ごうとする対策・サービスである。
知っている人も多いだろうが
この緑化対策は既に法的に義務化され、
東京都を例に挙げればある大きさ以上の建物を新・改築する際には必ず緑化を行わなければいけないと定められている。
自治体も積極的に助成金を出しこの条例を後押し。
そんなこともあって、ここ数年で一気に大規模建物における緑化活動は進んだのである。
ヒートアイランド現象を防ぐ効果として捉えられている緑化サービスであるが、
話しを聞くとその効果は多岐に渡っていることがわかった。
今回取材に伺ったイーエムシー(株)では、
緑化の際に使う植物にセダムなる品種を採用。
一般的にはあまり耳慣れない植物だと思うので簡単に紹介をしておこう。
セダムとはマンネングサともいわれ、アロエやサボテンのような触感を持つ多肉植物であり、日本国内にも自生しているという。とにかく“頑丈”なのが特長の植物で、人が下手に手をかけると逆に枯れてしまうそう。
我々が屋上緑化と聞いてぱっと浮かぶ植物は「芝草」だろう。
そこで両者の違いは何なのかを、同事業の責任者である松本聡氏に聞いた。
「芝生は人が踏んでも大丈夫ですが、
このセダムは人が踏みつける圧力には弱いために、施工した場所は立ち入り禁止にする必要があります。
ですので、人が立ち入ることのない壁面での施工が増えてきているんですよ」
芝生であればマメに水を撒き手入れをするといったケアが必要だが、
セダムの場合には一切これらの手間がかからない。
一度施工をしてしまえばあとはほぼメンテナンスフリーで緑化システムを手に入れることが出来るというわけだ。
同社ではこのセダムを建物の屋上に施工する技術を、
これまであれこれと模索しながら上げてきたそう。
そして、
現在完成した最新のシステムが「プランツキャスト」。
日本国内で緑化サービスビジネスを展開している企業は10社ほどあるそうだが、
その多くが花屋さんでよくみかけるプラスチック製のトレイ内に植物を植生させるシステムだそうで、
このシステムだといくつかの欠点があるという。
まず土壌として土を使用するので風が吹いたときにその土が飛んでいくということ。
また、同社が使用しているシステムと比べた場合に遥かに断熱効果が劣り、また景観美もよろしくない。
プランツキャストでは土壌部分に50センチメートル角の発砲セラミックス素材を使用。
この素材を使うことにより当然土の飛散は発生しない。また、余計な雑草が付かずに保水効果も高いというのだ。
さらに蓄えた雨水を発散する際に毛細管現象により気化熱が発生。
冷却効果も従来システムと比べた場合に桁違いに大きいというのだ。
同社が出している数字を挙げれば、
緑化サービスを施工した場合としない場合の屋根(折板金属製)
の温度差が約21.4℃もあったというのだから、その効果がいかに絶大であるかがわかる。
また、
プランツキャスト技術の優れた点はこの土壌を50センチ角にしたことにもある。
緑化の部分とそうでない部分を選択することが可能なのである。
つまり、デザイン性に富んだ緑化を演出できることを意味している。
施工方法がシンプルなのも特長だ。
屋上や壁面に発砲セラミックを設置。
その後、緑化したい箇所にだけ別の場所(主に契約農家)である程度の大きさにまで育成したセダムを乗せるだけ。
「当社の施工方法は特別な布の上にセダムを育成させ、
その布を発砲セラミック土壌の上に敷くだけですので
とてもシンプルですよ」
あとはそのセダムの根が完全にセラミック土壌に付くまでのほんの少しの間水をやれば終了。
現在このプランツキャストシステムは壁面でも使用され、成田国際空港にあるレストラン前では床を。二子玉川駅前では大規模な広告展示で壁を緑化している
エコロジーが世間一般で大きく提唱されて以来、京都議定書ではCO2の削減量が数値化され、国策として環境問題に取り組みだした。
一方、個人レベルでも「もったいない」を合言葉に、日常のあらゆる場面でECO活動を自然と行う人が増えた。
新築戸建て住宅を見れば、駐車場は過去のようにコンクリートとで固めてられてしまう施工方法ではなく、大きな枕木や植物がコンクリートブロックの間に入り、少しでもヒートアイランド現象を防ごうとしている。
今回話しを伺った松本氏も、
そんな現代の風潮に同サービスが貢献できることを嬉しく思い、この緑化サービスを推し進めている人物だと感じた。
「以前は建築・設計事務所さんやゼネコンさんからのお問い合わせが多かったのですが、
最近では不動産を所有するオーナさん、あるいは個人レベルでのお問い合わせも増えてきております」
まさに同社の緑化事業は時代にマッチしたサービスであるのだ。
今はまだ公共機関や大規模な建物での採用が多いが、いずれその波が一般国民レベルまで浸透したとき、日本は世界に類をみないエコ大国となるであろう。