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「振動マカダムローラ MW700-1」

〜110万qを越える日本の道路施工を支えてきた〜
酒井重工業株式会社

2011年、3月11日。
東日本を襲った未曽有の大震災では、数々の建物やインフラが破壊されることとなった。
生活の根幹である道路の被害も深刻で、無残にも波打つアスファルトを見て、 大きな衝撃を受けた人も多いのではないだろうか。

そんななか、海外メディアから大きな注目を集めたのが、日本の道路復旧工事
亀裂が入り、めちゃくちゃに分断された道路が、短期間で復旧が完了し、車の通行を可能にした。 そしてそのことは、日本人の勤勉さのみならず、圧倒的な技術力の高さを全世界にアピールすることとなったのである。

その陰には「道路が復旧しなければ、被災地の人たちに救援物資が送れない」 と決死の作業を行った人たちがいた。
その工事に不可欠だったのが、ロードローラ

では一体このロードローラ、どのような役割を果たすのであろうか?

道路の質を大きく左右するロードローラ

私たちが普段目にしているアスファルトの道路。 実はこの下には幾重にも層があり、奥深くから頑丈に成り立っている。 この上層〜奥までの盤をしっかり締め固めるのがロードローラの役割。 締固め不足があると道路が陥没したり、耐久性が低下したりする原因にもなる。

今回紹介するのは、酒井重工業株式会社の「振動マカダムローラMW700-1」

あらゆる締固め作業のニーズに応える世界初、世界トップクラスの性能を誇る振動マカダムローラだ。

ちなみに、マカダムローラとはロードローラのなかでも三輪のローラを指し、 マカダムとは、18世紀に三輪ローラを用いた締固め工法を発案したスコットランド技術者の名前である。


道路工事の例

道路工事の例

車輪部分の拡大写真

道路はこうやって作られる!

ここで道路が作られていくイメージだが、

プラントから現場に160℃以上の高温のアスファルト混合物がダンプトラックで運ばれてくる

アスファルトフィニッシャーという重機でアスファルト混合物を平坦に敷きならしていく

その後マカダムローラで転圧作業をし、道路を締め固めていく

酒井重工業株式会社 事業推進部の木村さんによると、
「具体的に、一般的な道路でのアスファルト混合物の締固めにおいて延長30mくらいの 締固め範囲で初期転圧として通常のロードローラが2往復程度、 二次転圧としてタイヤローラ等が5往復以上転圧することで、目的の密度へと仕上げることができると言われています。 しかし『振動マカダムローラMW700-1』の大きな特徴は、すべての車輪のなかに振動機構があるという点機械自体の重さ+振動の転圧効果により、初期転圧時から目的の密度へ近づけることができ、転圧回数の低減も図れるのです」

そのことは作業スピードアップ や、軽油の使用量を減らし二酸化酸素排出量の削減 というメリットにもつながって行くのである。

道路にド根性大根が生えてくる理由とは!?

また、よく見かけるのが、道路の端の部分がデコボコになったり、崩れたりという光景。 アスファルトから雑草ばかりか、大根やニンジンが生えてきた、という逸話もある。

「道路の端部は車のタイヤが走る場所であるため、中央部に比べてひび割れたり壊れたりしやすく、 舗装の弱点と言われています。 その上、一般的な振動するロードローラですと、車輪を支えるフレームが外側に突き出しているため、 例えばガードレールなどの構造物がある場所などではフレームが当たるなどして、 より端部の締固めがしにくいという問題もあります。 しかし、『振動マカダムローラ』は内側から車輪を支えているため外側のフレームがなく、 両端の部分も踏み残しが少ない上、3輪のうちの前輪左右1輪だけに振動をかけることもできるため、 一定の部分だけ集中的に締固め密度を高めることもできるのです。」

日本の道路品質はトップレベル。そしてoオーダーの世界!

ここで触れておきたいのが、日本の道路施工事情。
例えば、北海道〜沖縄まで、気候も全く違うため、地域によってアスファルト混合物の配合を細かく変えているのだとか。 また、道路の締固め密度や、水はけを良くするため、中央分離帯から路肩まで水勾配をつけるなど、 道路建設には工事発注者の基準に基づく細かいオーダーをクリアしなくてはならない。 さらに完成した道路は厳しいチェックを行い、すべての基準をクリアした時点で一般開放されることになっているのだ。

マルチに使えるから経費節約にも○

また、アスファルト舗装は一般的に、表層・基層(アスファルト混合物を使用)、 上層路盤・下層路盤(粒状路盤材)の複層となっており、その下に路床(土)がある。 振動マカダムローラは、アスファルト混合物に関しても、その他の材料に関しても、 振動を調整してそれぞれ適度な振動で締め固めることができる。
「そのため従来は、表層基層用ローラと、路床・路盤用ローラ、 別々のロードローラを現場に搬入しなければなりませんでしたが、 汎用性のある『振動マカダムローラMW700-1』を使用すれば、 現場投入の機械の台数を減らすこともできるのです」

安全な操作性も重視

通常ロードローラの運転は、運転手が車体を前に進ませながら、車輪の状態も見なくてはならない。 そのため、運転も難しく、従来巻き込みなどの事故が少なくなかったという事実がある。

そこで、「振動マカダムローラMW700-1」では、ドライバーの事故防止のためにも、運転席からの視認性を重視。 厳しい欧州安全視界基準1×1をクリアするものとなっている。
さらに、安全な乗り降りを可能にする階段ステップ作業時の疲労を軽減する防振フロアなどを採用し、 作業をする人の安全や快適性も追求している。

現場の声を大切に

今では信じられないが、戦後の日本は国道でさえも砂利道ばかりで、アメリカの道路調査団体が驚いたほどだという。 1929年に国内初の内燃機関搭載型ロードローラを開発した酒井重工業は、 まさに110万キロを超える日本の道路網をその日進月歩の技術で支えてきたのである。

「重機メーカーとして、単に製造販売しているだけでもいいのかもしれません。 しかし私たちは道路建設現場へと足を運び施工に立ち会い、現場のどんな声にも耳を傾けて、 製品に現場の声をフィードバックさせるようにしています。 それが我々の大きなこだわりだと思います

そうすることで、常に品質を向上させ、世界一を目指すことができたのである。

現在日本では首都高速道路を始め、高度経済成長期に建設された道路の老朽化が問題となり、改修工事への早急な対応が叫ばれている。

まさに今後も日本全国で「振動マカダムローラMW700-1」が大活躍してくれることだろう。

記事:阿部 桃子
写真: 酒井重工業株式会社
http://www.sakainet.co.jp/

会社概要

会社名 酒井重工業株式会社
所在地 〒105-0012
東京都港区芝大門1-4-8
浜松町清和ビル5F
連絡先 事業推進部
TEL  :03-3434-3401
E-mail:info-sakai@sakainet.co.jp

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