会社概要
会社名 | 株式会社 イーグルエンタープライズ |
所在地 | 〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋 2丁目46番地1号 ダイヤハイツ三軒茶屋203 |
電話番号 | TEL :03-3414-2345 FAX :03-3414-3987 |
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ここ数年都内でよく見かける光景に、お洒落でかわいいい女性、あるいは流行に敏感な男性が、 本格的なレンズカメラである一眼レフカメラや、派手なカラーリングのトイカメラを首からぶら下げ、 街中で撮影している風景がある。
筆者もそのなかの1人なのだが(苦笑)、 そんな街中のフォトグラファーにはいくつかのタイプがある。
すべてのタイプに共通していることは、「カメラ(写真)を愛している」ということだろう。
そして、そのようなカメラを愛するユーザーであれば多くの人が知っていることだが、NikonやCanonというビッグネーム以外にも、カメラを開発・販売している企業はある。
今回取材に訪れた(株)イーグルエンタープライズは、代表を務める額賀英男氏が1991年に設立した会社だ。
同氏にこれまでの歩みを聞くと、輝かしい経歴の持ち主だということが分かった。
まず、同氏はカメラ業界一筋であるということ。現在66歳ということで、そのキャリアは40年を超える。
最初は日本のカメラメーカーに勤めたということだが、才能があったのだろう。ビジネスの中心地、NYにと転勤する。すると、次は米国の企業からもその才能を認められ、現地の企業に転職したというのだ。ヘッドハンティングである。その後、転職先の企業でアメリカを拠点としながら、長きに渡りカメラに関する業務ならば、どんな仕事でもこなしてきたという。
「米国企業に籍を置いていた頃には、日本法人の立ち上げから同会社の代表就任。
また、米国で製造していたカメラの部品を、日本法人を拠点として、
シンガポール、香港、台湾、韓国にある企業で製造する手配をしておりました。
また、カメラの企画・開発・デザインから、販売に関するコンサルティングまで。
とにかく『光学』に関することであれば、あらゆるビジネスに携わってきましたよ。
ですので、今でも業界関係者とは太いパイプを持っています」
フィルムカメラを主に扱ってきたという代表だが、その後時代は多くの分野で急速なデジタル化に向かう。
――が、しかし。衰退するフィルムカメラのなかにあり、ただ一つ気を吐いていた商品がある。
それが トイカメラ だ。
「弊社はOEMの仕事も多く、
カメラ業界に詳しい私が開発者と製造企業との間に立ち、
ネゴシエイターとして携わっている製品も多くあります。
その一つとして、6年ほど前からトイカメラの企画・開発を行っています」
トイカメラとは上述したビッグメーカーが発売しているような高性能で多機能なカメラとは違い、
一言で説明すればその名の通り
「おもちゃのようなシンプルなカメラ」だ。
だが、逆にそのおもちゃ的な画像の質感が受け、ここ数年マニアからだけでなく、 一般カメラユーザーからも注目・支持されているのである。 もちろん、外見のかわいさが受けていることもあり、ギフトとしての人気も高いカメラなのだ。
『HOLGA』というカメラを例に挙げれば、分かりやすいだろう。
そして、日本でこれだけトイカメラがブームとなった理由は、ある仕掛け人がいるようで、
その人物からの依頼で、代表はこれまでに数多くのトイカメラを、この6年の間に開発してきたことを話してくれた。
「ここまでトイカメラがブームになるとは思わなかったけどね。
向こうの棚に、うちでOEM製作したトイカメラがいくつかあるから、持ってこよう」
そういって代表が多くのカメラで埋まった棚から取り出してくる製品を見て、筆者は驚いた。
「僕、このカメラ。先日友人にプレゼントしましたよ!」
購入した店は若者であればその多くが知っているであろう雑貨屋「VILLAGE VANGUARD」。
その後詳しく話しを聞くと、2009年の秋で放送が終了したテレビ番組「仮面ライダーディケイド」、
その番組内で主人公が使用していたカメラも、代表が開発したというから驚きだ。
「OEM製品も入れれば、日本で販売しているトイカメラの多くは、 私がその製作に携わっているんじゃないかな......」
日本のカメラ史にその名を刻んできた人物であることが分かる。
「私はビジネスマンですから、常に業界の動向にアンテナを張っています。
そして、『売れる』と思った商品を開発・企画するわけですが、
今、都内のお洒落な雑貨屋さんを中心に人気を集めているトイカメラ。
このカメラの人気はそろそろ頭打ちではないかと思っています」
筆者もそれなりにカメラについては詳しい。
なので、トイカメラの人気は依然として根強いのではとの見解を述べると、
「ワンテンフィルム(トイカメラでよく使用するフィルムの種類)の製造は終了したし、
今私のもとに入ってきている企画案は、どれもぱっとしないからね......」
40年以上業界に携わり、
業界の流れを肌で感じてきた代表だからこその意見であろう。
「では、次はどんなカメラがはやりますか?」と筆者が問うと、
「トイデジ(デジタル式のトイカメラ)だろうね」
と代表は即答した。
そして、
自社オリジナル製品であるトイデジカメラ「Eagle-Shot」を見せてくれた。
カメラ業界一筋にここまで歩み、
同業界においてミクロからマクロでの広い経済観念を持つ代表だからこそ、
次への一手が早く、そして堅実なのだ。
一つの製品に執着し、
そこにすべてを懸ける経営者がいる一方で、時代の潮流を読み、
ニーズに似合った製品を現場に供給していく経営者もいる。
額賀代表は後者になるのだが、その瞳は、
こだわりを持った采配を振るうビジネスマンとしてするどい眼光を放っていた。